Cowardice


一人ぼっちの人間が恋をしました

けれど恋の仕方がわかりません
なにせずっと一人だったもので。
他のひとと話してるあなたを見ると
どうしても不安で
話してる相手を殺すことはできないので
一人寂しく泣きます

あなたが私への感情を事細かに説明するのを聞いて
なんだかとても寂しくなります、切ないです
けれど私には笑うことしかできません
楽しむこともできないまま

私は私を殺すしかできません
あなたがどこにいるかがわかりません
私と隣同士のように錯覚しますが
隣ということは同じではありません
私は生きたいと泣く私を、
殺すことしかできません

私だけでよくないですか?
私はあなた"だけが"幸せなのに。
求めるのはあなたの心だけ。
それ以外もうどうでもいいのに、
なにも、手に入りません

一人ぼっちの人間が恋をしました
けれど恋の仕方がわかりません
あなたが本心を打ち明けてくれるのがとても嬉しくて
それを見てあなたが喜んでくれるのが
また、どうしようもないくらい、
嬉しくなるのです

あなたのことがたくさん私に流れ込んで
だけど
私のことがきっと、あなたには流れ込まないせいで
気を遣われるのが、とても寂しくなるのです
誰に対しても気を遣ってきたからなんて、
そんな風に誰もと私を一緒にされるのが、
とても辛くなるのです。

あなたにかわいいと言われると、
嬉しくてずっと忘れられないんです。
良くも悪くもあなたに評価されると、
どうしようもなく、生きた心地がするのです。

そうして心の距離が永遠に近づかないせいで
いつまでもあなたと、手を、繋げません
近づき方も、失ってしまうかもしれないと不安で、どうしても、分かりません

私は私を殺すしかできません
どこにもいかないで、ここにいて
「好きでいて」
そう言いたいのに、声が出ません。
気づかれたいのに、どうやら伝えることすらできない子どものよう。

私と隣同士のように錯覚しますが
隣ということは同じではありません
だからこそ恋をしたということに、
気づけません

ずっと一緒になんてあなたの心に巣食いたいと欲深い私を、
どうしたら生かせられるかも分からないまま
今日も私は、後悔するのです。